欲する者には手に入れられない音楽を、常に己の正直な感覚を研ぎ澄ましながら

ARTO LINDSAY © Jorge Bispo

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1977年にニューヨークでノイズ・パンク・バンド「DNA」を結成してから早30年の時が過ぎた。ニューヨークのオルタナティヴ・シーンを代表するアーティスト、ダンディで捕らえどころのないアート・リンゼイは永遠の学生のような眼鏡をかけて現代音楽の景観を脇目におかしな歩き方でブラつく。特に意識している様子もないが、常に誰よりも先を歩く。何を待ち伏せるわけでもなく、従わせるためではなく捕らえるための音や形、また新しいリズムをクローン化し、方向を変え、再生させ、彼の混沌とした世界に組み込む、もしくはそのために分裂させる。時に恐ろしく魅力的で非常に洗練されている、アート・リンゼイの自身に正直な音楽:不確かでいて根本的、反逆的で貴重、そして不屈で飽くことを知らない。今回13年振りに完成した「アート・リンゼイ」ソロ名義での7枚目のフルアルバム「CUIDADO MADAME」は、ニューヨークとリオで録音された。本作の出発点となった裏テーマには「ブラジルの民間信仰カンドンブレの音楽とアメリカのゴスペルの融合」があるといい、事実ブラジリアン・パーカッションのビートと重厚なオルガンからキーボードの邂逅は斬新ながら、本作でそれ以上に印象的なのは、再び攻撃性を取り戻した旺盛な実験精神だ。前作「Salt」にかけて徐々にポップな色合いを強めていたそのサウンドは、13年の時を経て再び鋭利に研ぎ澄まされ、単にノイズギターの含有率が高まったというだけではないヒリついた肌感覚が戻ってきた。メロウな音空間を切り裂くギターや無邪気に暴れるエレクトロニクスの痛快さ。そこに響く彼の歌声は、背筋を伝う刃物のように危険なエロティシズムを持ち備えている。アート・リンゼイ待望の最新アルバム「CUIDADO MADAME」は、2017年1月6日に常に良質な音楽を求めるP-VINE Recordsより発売。

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Artwork by Rirkrit Tiravanija / ฤกษ์ฤทธิ์ ตีระวนิช
ARTO LINDSAY © Jorge Bispo
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ARTO LINDSAY & BAND live @ Lisbon & Estoril Film Festival 2014

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